抗がん剤3

 

まず引用です。

 

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【パーソナル健康学】No.732(2017.7.27)

 

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FROM 川嶋朗

 

 

 

 

 

がんの「三大療法」には、抗がん剤などを用いた化学療法、

 

外科手術のほかに、放射線療法があります。

 

 

 

 

 

がん細胞は遺伝子(DNA)のコピーミスによって発生します。

 

 

 

しかも正常な遺伝子をもった細胞と違って、

 

がん細胞は分裂を止めることができず、どんどん増えていきます。

 

 

 

 

 

ただ、がん細胞は、ガンマ線やベータ線、

 

アルファ線などの放射線を当てられると、

 

正常な細胞以上に死滅しやすいという特徴もあります。

 

 

 

 

 

そこで、がんの腫瘍やその周りの浸潤組織に放射線を照射して、

 

がん細胞の遺伝子を修復不可能なくらいまで切断し、

 

その分裂や増殖を止めるのが、放射線療法です。

 

 

 

 

 

放射線療法の1回の治療時間は1〜5分程度で、

 

通院で受けることができ、

 

患者さんの体力や病状にかかわらず治療ができます。

 

 

 

 

 

そのため、化学療法や外科手術ができない患者さんでも、

 

放射線療法なら可能なことが少なくありません。

 

 

 

 

 

放射線療法は特に

 

脳腫瘍や口腔がん、舌がん、喉頭がん、食道がん、子宮がん、

 

子宮頸がん、前立腺がん、皮膚がん、悪性リンパ腫、ごく早期の肺がん

 

などにおいて、外科手術と同じくらいの効果があるといわれています。

 

 

 

 

 

また、手術前に腫瘍を小さくするため、

 

あるいは手術後に、取り残したおそれのあるがん細胞を殺すため、

 

放射線を当てることもあります。

 

 

 

 

 

さらに、化学療法と放射線療法を同時に行う「化学放射線療法」によって、

 

より高い治療効果が得られることもあります。

 

 

 

 

 

現在、日本ではまだ、欧米に比べて放射線療法の利用者は多くありません。

 

 

 

 

 

しかし放射線技術の進歩は著しく、

 

外科手術に比べて痛みや後遺症がほとんどなく、費用も安いことから、

 

今後大幅に利用が増えていく可能性があります。

 

 

 

 

 

なお、『がん患者として長期生存する医者たち』の中に、

 

現在、名古屋でクリニックの院長をされている、

 

内藤康弘先生の体験が記されています。

 

 

 

 

 

産婦人科医だった内藤先生は1987年5月、47歳のとき、

 

大腸がんで余命3か月と宣告され、外科手術を受けて大腸を20センチ切除。

 

 

 

 

 

その後主治医から、

 

「ほかの部位に転移している可能性があるため、

 

 予防のために、放射線療法と抗がん剤治療をやった方がいい」

 

と説得されました。

 

 

 

 

 

過去にたくさんの子宮がんや卵巣がんの患者さんに、

 

放射線療法と抗がん剤治療を行ってきた先生ですが、

 

 

 

いざ自分ががんになってみると、

 

今までの患者さんたちが副作用に苦しむ姿が脳裏に浮かんできたそうです。

 

 

 

 

 

胃や腸、肝臓、すい臓などにできる腺がんは、放射線療法による効果が低く、

 

ほかの治療法が第一に選択することが少なくありません。

 

 

 

 

 

しかし、先生は抗がん剤治療を拒否し、放射線療法のみを受けることに。

 

 

 

約20日間の放射線療法を終えた段階で、

 

主治医から「再発予防のため」と、再度抗がん剤治療をすすめられましたが、

 

迷いなく拒絶しました。

 

 

 

 

 

『がん患者として長期生存する医者たち』に次のようなくだりがあります。

 

 

 

「これまで医師として多くの患者に抗がん剤を投与してきたが、

 

 劇的に効いたという症例があまりない。

 

 

 

 医師なら抗がん剤がさほど効果のないことぐらい知っている。

 

 患者には使うが、自分は投与されたくないと、みんなそう思っている。

 

 

 

 むしろ、抗がん剤を打つことで、髪の毛が抜けたり、ガリガリにやせたりと、

 

 火に油を注ぐように悲惨な姿になっていく」

 

 

 

 

 

先生の決意が固かったのは、余命3か月と告知された末期がんに対して、

 

抗がん剤の効果はほとんど期待できないことがわかっていたからです。

 

 

 

 

 

やがて職場復帰した先生ですが、退院して10日ほどたったころ、

 

MRI検査で影が見つかったとの連絡が入りました。

 

 

 

「影が悪性の腫瘍かどうかは、開腹しないとわからない。

 

 しかし手術をしたばかりなので、抗がん剤を使ってみては」

 

 

 

という主治医の申し出を、やはり先生は拒否。

 

 

 

開腹した結果、良性であることがわかりました。

 

 

引用ここまで


自分がされて嫌なことを他人にしてはいけないというのは、

人間としての基本です。医者は、患者に抗がん剤を勧める時に、

自分だったらどうするか、しっかり考えてほしいものです。