強いマッサージは危険です3

ー強いマッサージを受けると交感神経が興奮してしまうー

強いマッサージを受けると、呼吸を止めて、全身を緊張させ、刺激から身体を必死に守ろうとします。つまり、逆に全身が緊張してしまいます。

これは慢性的な不快感には逆効果です。筋肉が逃避反射により、余計に緊張してしまいます。

強い刺激を我慢していると、自律神経のうちの戦いや逃げる非常時に働く、交感神経が興奮しすぎてしまいます。

普段の仕事でも交感神経が優位になっているのに、余計にストレスがかかり、心理的にも疲労してしまい、中枢が感作します。


逆に優しいマッサージで身体が変化するのは、皮膚の神経への影響、心理的な影響、脳の神経伝達物質などによる下行性疼痛抑制、自律神経の変化による血管内径の変化による影響です。

「痛気持ちいい」は侵害受容刺激になる。
「痛い」のは侵害刺激で感作してしまいますが、「痛気持ちいい」のはいいように感じてしまいます。

しかし「痛い/Pain」という感覚になった時点で末梢も中枢も感作するので、慢性痛にとってはマイナスの働きになってしまいます。

有害な刺激信号の事を「侵害受容信号」と言います。つまり、生命体にとって有害、警戒すべき刺激だよと、神経線維が脳へ伝えてくれているわけです。


しかしお客様から「それじゃあ、物足りないんだよね」という声が聞こえてきそうです。

はっきり言ってそれは、繊細な感覚が感じられなくなり、「感覚が鈍くなっている」からです。


例えば、あなたは1Kgのバッグを持っています。そこに350mlのペットボトルを入れたとします。

そうすると重さの変化をほとんどの人は感じられます。

しかし、そのバッグに60kgの重りを入れておいて、そこに350mlのペットボトルを入れても、ほとんどの方はその微妙な重さの差に目を閉じていれば気がつきません。

つまり、強い刺激に慣れていると、細かい差は分からなくなってしまい、より強い刺激を求め続けるようになってしまうのです。

これが身体にどんな悪影響をもたらすか想像は簡単にできます。

マッサージなどでは身体を痛め、味覚でいえばどんどんしょっぱい味付けを好むようになり、健康とはどんどん遠ざかってしまうということです。